2007/11/22 (Thu) 折り紙

　

　先日、道で「手裏剣（しゅりけん）」を拾いました。


　もちろん、今の時代ですから、紙でできたものです。

　

　　　　　　折り紙で作ってありました。


　「なつかしー」　思わず拾って帰りました。


　

　幼少のころ、「折り紙の神童」と呼ばれた私。


　一人遊びが好きで、口数少なく、もくもくと何時間も折り紙を折っては、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　大作を作りあげ、黙って持ってくる。


　そして、満足げな私を見て、母親はいつも

　　　　　　　　　　　　　「この子にも、トリエがあるのだわ」と言い聞かせていたそうです。


　幼稚園の連絡帳にも「みかちゃんは、折り紙が得意です。周りのみんなに作ってあげています。」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　と先生からのメッセージ。

　
それくらい、好きだった。


一枚の紙から、いろんな形が無限に作り出せるコトに、喜びと神秘を感じていたようです。

　ひとつの素材から、無限の可能性。


　あれ？そんな大げさなことではないか（笑）


　完全に、自分でコントロールできることも、私をハマラせた原因。


　やれば、できる。　　　とことんできる。


「今度はこうしたらどうだろう？」

「どこまで、やれるんだろう」

　
どんどん小さくしてみたり。　　　ピンセットや、爪楊枝を使って折ったこともあります（笑）

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　おぅ！マニアック。

　
　どこまでも、追求できる。　　面白かった。


「あのときから、変わっていないなぁ。」


そんな幼いころの自分を思い出しました。


　そして、家に帰ったら、母親は、折り紙を出してくれました。



「あるんだ」　　　　懐かしすぎる。



　きれいな色の折り紙。宝物のように大事にしていたことを思い出しました。


「いくみがすきだからね」　　　　　　　　　　　私のめいっこも好きらしい。


　血は争えませんね。


　よーし、保育園から帰ってくる前に、手裏剣作って、驚かせよう。


　「ほ～ら、しゅりけんだぞ。　　しゅ、しゅ、しゅ、しゅ」　　　　しめしめ、よろこぶだろうな。



久しぶりに折った。

　大人だし、美容師なので、きれーに合わせて折った。　　寸分狂わず、折った。

　美しさを追求し、めいっこに自慢するために。

　　

　おやおや？？　　合わない。


　折れば折るほど、ずれてくる。

　「なぜなぜ？？」　　悪戦苦闘。


　散々やったが、どうしてもあわない。

「おかーさん。これ、最近の折り紙？昔って、こんなにヅレなかったんだけど・・」


「最近の折り紙は、みんなそうだよ。正方形じゃないみたい。いくみも、苦労しているよ。」



がーん。



すごいショックだった。


子供が、まっすぐ、しっかり折ろうとしても、　　合わない。

　正しい基準に合わせて、

　　　　　　信じて折っても、　　合わない。

　
　紙が、折り紙が、正確ではないのだ。


子供は、困ってしまうだろう。　　まっすぐ折っているのに、なんで合わないのだろう？？




　正方形を、いい加減に作っている「おとな」がいる。




　そうやって、純粋に、「まっすぐ」と思っている子供に、矛盾がつきつけられるのか。

　正しくない、正方形。　


　そうやって、そういう世の中で、少しづつ、子供の「正義」の基準が、ずれていくのかも・・・。


　
おっと。それはいけない。

　
　だから、うちの折り紙を、計って切って、正確に「正方形」にしました。

　これで、矛盾なく、遊べる。　　　正しく、体験できる。



　細かいことだし、小さな抵抗かもしれない。でも、ほっとくわけにはいかない。


一時が万事。



　そういう風に「手」を入れないと、いけない世の中も、なんだか、悲しいなぁ。



それを「質」というんだろうな。


「質のよいもの」であふれた、世の中にしたい。

　

でも、「質の良い」とは、本来　「普通」のこと、
　


　「本来の姿」を

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　守っている状態のことかも。


　それが実は、案外難しいことなのかも。。。ふむふむ。



　まっすぐ折ったら、まっすぐになる。　　それが、ふつう。

　

　「世の中のルール」を、こどもは、遊びから学ぶ。

　

　正しく、学べる世の中を。


　おとなが、しっかり守っていくことが大事。　


　ミライを守るため。




　「モノをつくる」　「ヒトに触れる」人間として、もう一度、こころに誓いました・・・