2010/01/08 (Fri) GNH（gross national Happiness)。

        お正月より




　　　　　　　天外伺朗著




　　　　　　　　　　　　　「GNHへ　　～ポスト資本主義の生き方とニッポン～」




　　　　という本を読んでいる。




　　　　　異色作。





　　　　　　　　　　いままでの資本主義とは




　全く違う価値観へ





　　　世界はパラダイムシフトしつつあるのだという見解です。





　　　　　　　　　　資本主義は、





　　かつての実際の「モノ」や「サービス」をの取引の場だった





　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　初期の健全な産業資本主義から





　　　　　　　　複雑にシステム化された実体のない金融商品がはびこり、





実体のないレバレッジ資本が支配し、





　　　　　市場が単なる賭博場に化けるというギャンブル資本主義へと変貌を遂げ、





　　　　今となっては巨大化した欲望（悪魔）の一喜一憂に





世界が翻弄されるというおかしな状況となってしまった。




　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　「（見えざる）神の手」を頼りにしてきた資本主義は




　　　　　　　非常に近い将来、




　　　　　　　　髪の変わりに悪魔の住みついた市場とともに滅び行く運命にあると





　　　　　　　　　　　著者は断言する。




　　　　　　　産業資本主義は、盛衰のひとつのパターンを持っている。





国がある一定の成長を遂げ成熟期にはいっったということは





　　　　　　　国民の生活水準が上がったということがひとつの判断基準となる。





　　ということは給与水準が上がっているということ。





　　　　　　　産業においては、




製造にかかる人件費が上がっているということなので、





　いまだ成長途中の人件費の低い発展途上国に製造ラインは移行する。




　
　　　　そうなるとその国は国際競争力を失い、





　　　　　　いままでが製造業にウエイトをおく産業構造であれば、





その国のGDP（国内総生産）は下がる。





　そういうパターンをとるらしい。





　　　欧米諸国がそうであったように、日本も完全にそうなっている。





　　　　　　　　　　「日本」という国の、世界に誇るあらたな才能を




　　　　　　産業の中心に持ってこなくてはならない。


　　　　　　　　

　　「知価社会」への突入だ。





　これから先進国、特に民族潜在的に優秀な遺伝子を持つアジア諸国の人々は、





個々人の意識レベルが上がり、




　　　　　　　　いまのギャンブル場と化したの資本主義、




さらに貨幣至上主義という価値観から脱していく時代だという。





　　　「お金持ち＝しあわせ」というステレオタイプの幸福論は




　　　　　　　　　　　　　　時代遅れな価値観となる。




　・・というか、そういった「洗脳」が解ける。




　手段としての「お金」をたくさん持っているということは豊かなことだけれど、





　それを持つことによって、多くのことを失ったり人から奪ったり、戦ったり・・・





　　　　　　　　　　　　幸せになっていない人がたくさんいる。




その矛盾に気がつきだす・・・




　　　　　　　目が覚めるというか。





人間らしさを失った「ホモ・エコノミスト」は




　　　
　　　　　　　　　「灰色の男たち」となり、人間としての本当の尊厳を得られずにいる。





　そういう人間が社会に増えると、社会全体が殺伐とし、いらいらし、





猟奇的な事件が起きたり、うつ病の人が増えるという。




　　　　個人でなく、グロスでそういう現象をみることが出来る。




いまの日本は、ちょうどそういう時期。




　　カラダの変調を訴えたり、精神を病む人が増えているのは、





　　　　　　　　　　その社会の居心地の悪さの信号を出している。





そういう人が多いということ。





そういう社会は、人が生きるに良い社会とはいえない。




　　
　　「このままで良いはすがない、変えていこう」と。




　　　　　　　　　　人類は、進化していくものだ。





　　　　　　　　　　ブータン前国王がGDPに変わる指標として提唱した




　　　　　　　　　　　GNH（gross national Happiness)＝国民の総幸福量。




　　　　　
　　　　　　天外氏も、コレを提唱しているわけです。





　　　「ニッポン国民多くの人間が幸せを感じる社会」をどう創っていくか・・




　面白い論点だと思いました。




　　　　　　
　　　　決して宗教色が強いわけではありません。





　　　　天外氏は「世界のSONY」のブレーン的存在として４２年勤務し、




　　　　　　　コンパクトディスク（CD)の開発や、ロボットAIBOの開発に携わった




　　　　　日本を代表するれっきとした工学博士、研究家です。





　　　　　　　いわゆる天才ですね。





　　　　　　　　　この考え、女性的だと思いません？




　　母系的というか。





　　　　　世界は、女子化しているというさまざまな情報からも




　　　　　　
　　　　　うなづけます。




　　なぜなら、私も最近特にそう考えているからです。





　　　　　　　　　　資本主義が崩壊するということも、




いまは奇天烈に感じるかもしれないけれど、




　　　　案外遠くないかもしれない。




　この不況の嵐吹き荒れると叫ばれる中、そう考えて




　　　　　　　　　「人間の幸せってなんだっけ？」って




　　　　　　　思いをめぐらせている今日この頃です。。。